どうも、コガリョータです。
僕は今フリーのナレーターとして活動しています。
以前は都内のナレーション事務所に所属していたこともあり、地上波のテレビ番組をはじめ、様々な声のお仕事をした経験があります。
ナレーションをしていて時々思う時があります。
正しいアクセントって何なんだろう?と。
いったい誰が決めていつからそのアクセントになったのだろう?
そもそもアクセントって絶対に守らなければいけないの?
この記事ではそんな素朴な疑問をもつ1人のナレーターの考えをお伝えしたいと思います。
ナレーションに興味がある人、ナレーションをもっと上手く読みたい人の参考になれば幸いです。
ナレーターにとってアクセントは絶対です
結論から言うと、ナレーターにとって正しいアクセントで読むことは必須事項です。
現場では「NHK日本語発音アクセント新辞典」に準拠し、ナレーターのアクセントにミスがないか常にチェックされます。
ナレーターが間違ったアクセントで読んだものを放送した場合、そのテイクにオッケーを出したディレクターが馬鹿だと思われてしまいます。
視聴者には他のテレビ関係者やスポンサーもいるので、「ああ、あの番組は馬鹿な人達が作ってるんだな。」と思われてしまってはいけません。
なのでナレーターが正しいアクセントで読むことは大前提とされ、ディレクターも細心の注意を払ってチェックをするわけです。
つまり、自分たちが馬鹿だと思われないためにやっていることなのです。
視聴者にとって正しいアクセントとは?
しかし、正しいアクセントがいつも正しいとは限りません。
正しいアクセントで読んだつもりが、視聴者には違和感を与える場合があります。
例として「熊」があります。
正しいアクセントは「クマ\」となっていて「熊が出没しました」というニュースの際、キャスターは「↓ク↑マ↓が出没しました」というアクセントで読みます。
皆さんもこれを聴いて違和感を覚えたことがあると思います。それじゃ目の下にできるクマと一緒じゃないかと。
だいたい「↑ク↓マ」と発音するものが他にないんだから目の下にできるクマと区別するために「↑ク↓マ」にしてしまった方が良いではないか。
「森のくまさん」を「森の↓く↑まさん」と読んだら変じゃないか。
「くまのプーさん」を「↓く↑まのプーさん」と読んだらおかしいじゃないか。
僕もそう思います。でも、キャスターやナレーターは意地でも「↓ク↑マ」と読みます。
馬鹿だと思われたくないからです。
ここで矛盾が生じます。
視聴者は変だと思っているのに、現場は正しいと思ってやっている。
なぜこんなことが起きるのかというと、教科書である「NHK日本語発音アクセント新辞典」に「↓ク↑マ」が正しいアクセントだと書いてあるからです。
一応、第二アクセントとして「↑ク↓マ」も載っているのですが、余程の事情がない限り第一アクセントを優先するルールになっているのです。
もはや視聴者からすれば「それ、教科書がおかしいんじゃない?」というレベルです。
僕もそう思います。
実は「NHK日本語発音アクセント新辞典」は過去に改訂され、最新版は6冊目となります。
数度の改訂を乗り越えて受け継がれる「クマ\」。
果たして第一アクセントが「ク\マ」に改訂される日はくるのでしょうか。
ナレーションを読む際に最も大切な事とは
話が「クマ\」問題に逸れたので戻します。
結局、ナレーションを読む上で大切なことって何のさ!についてですが、色々あります。
アクセントもそうですが、「が」の角を丸くする鼻濁音だとか、長音・撥音・促音・拗音などの拍数を守るとか、助詞を立てないとか。
いろいろ大事なことはあるのですが、僕としては結局は「演技力」が一番大事だと思っています。
どんなに教科書どおりに読めても、演技力がなければ無個性で誰が読んでも同じになってしまうからです。
演技力については【ナレーションを上手く読みたい!経験者がコツをお教えします】の記事で詳しく説明しています。
アナウンサーには演技力は求めれらませんが、ナレーターは演技力を求められます。
アクセントも大切ですが、演技力こそがナレーターの腕の見せどころなのです。
まとめ
正しいアクセントが重要かというと重要ですが、それはテレビ関係者にとって重要ということです。
昨今のYouTube動画やYouTube広告ではそれほど重要視されていないのかもしれません。
アクセントは今後も変わっていく可能性がありますので、アクセント第一主義になるよりも、ナレーターとしての個性に磨きをかけるほうが大事かなと僕は思います。
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